<Since 2004/06/20 : Last Updated 2015/10/25>
2004年4月に、はれてあちきのにゅー楽器となった、イギリス製のオーボエ「Howarth XL (Thumbplate Model)」っす。
それにしても「Made in England」こんなとこに金粉を埋めるかよ〜・・最初に見たときには、「はにゃ?」と、しばらく固まってたっす。
気になってから、入手するまでの顛末っす。(2004/06/20 登録)
イギリスすぺしゃるな、サムプレートシステムについてです。(2015/10/25 更新)
この楽器を買うときのあれこれについて、気になったことをば・・。(2009/02/24 更新)
この楽器を使い始めてから知ったこと、気づいたことなどを。(2015/10/25 更新)
そう思い始めたのはいつの日だったんだろう・・
たぶん、オーボエを始めて間もなくのころ「夢はドイツのオーボエだけど、現実的に近づけそうなものとしてのユメは、最近のロンドンの各オーケストラ奏者のオーボエの音だろうなぁ」と思ったです。
その後、たまたま中古で入手したオーボエがドイツ製で、その後釜が、オーボエを始めたころにあこがれたマリゴだったのと・・実際にドイツで聞いたイロイロなオーボエが、レコードとかでイメージを持っていたよりも「しなやか」方面で、それなら、もうちょっと追いかけてみてもいいかも、と思ったのと・・そんな、イロイロな要素が重なって、もうちょっと、ドイツな方向を追うことが続いたです。
ただ、ココロの奥に眠っていたものの、自分の次の楽器を考えるときには「(最終的に買うかどうかは別として)イギリスのオーボエを吹いてみたい」てなのがずっとあったです。
そんなおり、ふとJDRIのWebで見かけたのが「Gordon Hunt氏によるHowarth XL Oboeのデモンストレーション」てなのが急遽に行われることになった、てなハナシで・・その前年にソニーのコンクールの審査員演奏会で聞いて、いいなぁ〜と思ってたので・・すぐに申し込んだです。
実際にハワースを吹いてみて感じたのは、うそ・いつわり・おおげさのない、素直で等身大の感覚。そして、ちょい明るめで、特に、右手の音域は管の内側から優しさがにじみ出てくるような響きで・・。ただ、その時の自分に思えたのは「ちょっと素直すぎ、といふか、個性が弱いかな」と。大まかにいって(マリゴ×2)+(リグータ×2)+(ロレー×1)÷5、みたいな・・よく言えば「ニュートラル」だし、悪くいえば「のっぺらぼう」みたいな、独自の個性で・・。
自分の音、てなものを作るうえで、それをゼロから考える、てなのは至難あんどすぐ迷路に入りがちで・・明確な個性がある楽器を基準に、それに足したり、引いたり、てな方が組み立てやすいので、そーいたやり方をしてる方も、少なからずいらっしゃると思うっす。そういう観点からみると、ちょっと素直すぎるかなぁ、と。当時の吹き方とリードだと、左手の音が、下のオクターブだとやや開くのと、上のオクターブだと当てにくい、てなのと、やや細さ感がでがち、てなのもあって、その時点では、自分の楽器として考えることはやめたです。
それから数年が過ぎ、もはやそれは「過去のこと」のはずだったです。
その間、なかなか楽器との決定的なめぐり合わせがなくって・・いい楽器はいっぱいあるんだけど「自分の楽器になるという実感が湧かない」という・・そんなことが続いて、楽器を買いあぐねていたです。
さらに、2003年のアタマに、体調を崩して、今までの楽器を吹いていると、息の圧を上げていったときに「アブナイ瞬間」がある、てなことになって・・息の圧を上げなくてもふける楽器探し、というのが切実な問題になってきたです。
新しい楽器探しのペースを上げて、イロイロと試奏していく中、とあるブランドの新設計の楽器を吹く機会があったです。第一オクターブキーの音域の、スムーズな音のつながりと優しい音色、太いとまでは言えないけど、特に細くもなく、欲張りでもなく、かといって狭苦しくもない「等身大」の感覚・・なんか記憶にある・・
「あ、あのときのハワースの感触じゃん!!」
そんな感触を覚えていた自分自身にも驚いたです。以前に試奏したときには中途半端に感じられたキャラクターも、逆に、今となっては、自分が求めているものに近いんじゃないかと。
できればもう一度試奏してみたいけど・・少なくとも大手の輸入業者では扱いをやめてしまっているようだし・・個人輸入できる可能性はあると思うけど、もし届いた楽器がイマイチで、返品もNGだったてなことがあった場合はドツボだし・・。
そんなおり、楽器を調整に行く機会があり、そこで、ふとハワースの話になったです。
「返品?多分できると思いますよ。選定?多分お願いできるんじゃないですかね・・確認は必要と思いますけど」てな情報をいただいたのと、「ハワース、あれ、非常にきちんとできてますよ」てな話と、それを語るときのリペアな方の「目」が印象に残って・・そういえば似たような記憶が、と思ったら、以前に別のリペアな方とハワースの話になったときに「ハワース、もし個人輸入して持ってくれば、ば〜っちりにしてあげますよ」と語った、そのときの目であったわけで・・。
リペアな方々にそう思わせる楽器って・・てなのが、あとからみたら、非常に大きかったような・・っていうか、ハワースの情報を持っていそうな人に会うたびに、あれこれと聞いてた自分がいたんっすね、いまから考えると。
2004年の2月までに、関東でできる分のイロイロな楽器の試奏を一通り終えたっす。みんなそれぞれにはいい楽器だったけど、なんというのか「自分の楽器に出来るんだ!!」てな本来はヨロコビな実感が湧くようなめぐり合わせが無くって・・このまま、この中からだけ選ぶと後悔するように思えたので、駄目モトで、Howarthに直接、メールを出してみたです。
以前に、アメリカの楽譜屋にメールを出したことがあって、そのときは、なんちゅーか、向こう独特の言い回しとかにいけなかったのと、メールを出せば出すほど、お互いの理解がずれていってしまって、結局代行業な方に頼んだです。
ただ、今回は、事前のイロイロな確認が必要だったのと、もし個人的な好みに合わなかったら返品、てな方向だったので、業者を挟むと、話が厄介になりそうだったので・・まぁ、いけるとこまでな「ダメもと」もーどで、個人輸入関係のサイトに書いてあるような英文を適当につなぎ合わせて、メールを書いて・・。
しばらく返事が来なかったので、ダメかな〜と思い始めたころに、メールで返事が来たです。それに対して返事を出して・・てなのを繰り返して、選定のこと、返品のこと、注文方法など、ひととおりの確認ができ、発注したです。
約1ヶ月ほどが経ち、選定が完了して発送する、てなメールが届き、そして楽器が届きました。
海外から届いたばかりなので、調整が狂って出ない音とかあるのかな・・と思ったけど、一発目から、上から下まで、きれいに音が出て、コンディション的には怪しいところは全くなかったです。かなりみっちり精緻に、ガタとかスキマとかなく作ってあったので「気候が違うところにきて、木が動いて、キーの動きとか、怪しくなってくるんじゃないかなぁ」とか思ったけど、そのあたりもなんともなくピンピンしてます。
実際に吹いてみて、インターナショナルな吹き方もできるけども、音色的にベースにあるのは「やっぱりイギリスな楽器だな〜」と思ったです。明るめで、でも透明ともちょっと違う、ほんわか暖かめな木の香りのする音。以前に「明るく緻密な音」てな表現を見たことがあるけど、まさしくそれかな、と。抵抗感は・・まだ吹き込んでない楽器てなせいもあってかそんなには軽くはない(ついでに重量も)けど、息のスピードをそんなに上げなくっても、楽器が反応しはじめる感じ。吹奏感は、以前の印象とはちと違って、細くないけど、濃密ではない(これまた、淡いというよりは「ほんわか系」)てな感じで・・。
音の連続性や第2オクターブキーの音域がツボにはまっていくのもいい感じだし、オーボエの弱点となりがちな、
あたりも、あちきが手にした楽器では、問題なしだし・・第1オクターブキーを押したGの音も、問題は「音色の開き」だけで、後の2要素の「極端な上ずり」「音の詰まり」はないので、対応ができる範囲だし・・。
届いてから2日後、なにより「風のようにしなやかに吹く」ことを連想されてくれる、この楽器に「タイセツに使い続けさせていただきます(返品はしないです)」なメールを送ったです。
これから、どんな世界をみせてくれるのやら・・楽しみっす。
この楽器を購入して以降に知ったこと、雑感などなど・・。
楽器を購入してすぐに、いつもお世話になっていた国内のリペアマンの方に検品調整を依頼しました。で、楽器が返ってくるときにお話しをばしたのですが、そこで言われたことで一つ意外だったのが、「ずいぶん内管が太いですね。マリゴより太いですよ」てなことでした。
吹いた感じでは、そんなに野太いキャラクターではないような気がするので、以下、推測。
管の太さ、というか、円錐の開き率が一定を超えると、音の密度はむしろ下がって、淡く、しなやかな感じになるのかなぁ、と。あと、吹奏抵抗も下がっていくんじゃないかという気がしています。吹奏抵抗については、下がることは良し悪しで、吹くのが楽になる一方で、楽器の抵抗にもたれかかって支えてもらいことができなくなる、という側面もありそうで・・。(2015/10/25 追記)
久しぶりにHowarthのWebサイトをノゾいたら、「XM」という新しいモデルが発売されていることを知ったです。「う〜ん、上位機種が出ちゃったか・・」とビミョ〜気持ちでWebを見ていたら、XLと値段が同じ・・どうも上位機種ではなく、キャラクターが違う楽器らしい・・。
Howarthには、XLとは違う、細管系の系譜もあるみたいなので、そっちかなぁ?と。(2015/10/25 追記)
XMの試奏ができるんじゃないかと期待して、IDRSの東京大会に行ったら、XMに加えて、さらに新機種の「XLV」という製品が出てました・・ちょっとびっくり。説明によると、XMは、やはり細管系の最上位バージョンで、XLVは、XMの管厚を厚くして、音のカタマリ感をさらに加えることをねらった製品、とのこと。
実際に試奏させていただくと、XLよりも音密度があって、抵抗感ももうちょっと強い感じですね。ざっくり言うならば、マリゴとリグータとの中間ぐらいの感じの楽器でしょうか?(2015/10/25 追記)