<Since 2004/11/24 : Last Updated 2015/10/25>
一瞬、「え゛っっ??」って思ってしまうような後ろ姿・・。サムプレートと、独特の位置(Thumbplate position とかの表現を使うみたいっす)に付けられた、第3オクターブキーっす。
イギリス独特な、サムプレート・システムの、メカニカルな部分の紹介っす。
いや、イキオイと言ってしまえば、それまでだけど・・。
Howarth XL Thumbplate Model のサムプレートシステムをば、ご紹介しますです。ただ、ちと注意といふか・・あくまでも、このモデルのシステムの紹介でして、これが、他のモデルのサムプレートシステム一般にまで適用できるハナシなのかは、ちょっと自信ナシ、です・・ハワースのWebとか見ても、他のモデルでは別のパターンのもありそうだし。
基本的なメカ構成としては、通常のコンセルバトワールシステムのオーボエに、サムプレート(と、それを制御するバネ)を追加し、第3オクターブキーを、サムプレートの操作をしながら押さえられる位置へずらす、てな形をとってるみたいっす。
そして、サムプレート(上図の緑のキー)は、下管のFisキーからの連携を上管の側で拾っている、シーソー状のキー(上図のピングの部分)の上側を、ばねのチカラで押さえつけてるっす。
この関係で、B♭とCの運指は、次のようになるっす。
Aの運指に加えて、右手人差し指のFisのキーを押す。
Aの運指の加えて、(普段は押さえている)左手親指のサムプレートを「離す」
Hの運指に加えて、右手人差し指のFisのキーを押す。
Hの運指の加えて、(普段は押さえている)左手親指のサムプレートを「離す」
で、本来のサムプレートのシステムだと、それで完了、なんだけど、このXLのシステムにはプラスアルファがあるです。
上の絵を見てて、気づいたヒトもいると思うけど、XLでは「フツーのコンセルバトワール式のオーボエに、サムプレートを足した」てな構成になってるです。で、サムプレートを離した(押していない)ときに、その一部を乗っ取る、てなカタチをとってるです。言い換えれば
サムプレートを押しっぱなしにすれば、他のキーの動きはコンセルバトワールシステムと全く同じ
てなワケで、サムプレートを押しっぱなしにすれば、フツーのコンセルバトワールな運指でも、B♭とCの音が出せちゃうです。こーいふ、どっちでもオッケーなシステムを指して「デュアルシステム」てな言い方もされてるみたいっす。
ちなみに「サムプレートを取り外す」もしくは「サムプレートにコルク等を挟んで、押しっぱなしな状態にする」てなことをやると、第3オクターブキーな位置がやや特殊な以外は、フツーのコンセルバトワールなオーボエになってしまうといふ・・。もっとも、これだと、どーしてこのモデルを買ったのかのイミが問われるけど・・。
このような、コンセルバトワールシステム(厳密には、タイプ4、だっけか?)と本来のサムプレートシステム(厳密には、コンセルバトワールシステム タイプ5、だっけか?)との両方として扱えるシステムを、純粋なサムプレートモデルと区別するために「デュアルシステム」というらしいです。
いや、なんちゅーか、入手に到るまでのさまざまな流れで・・つい買っちゃいました。
ムカシは「フルオート・リングキーでなきゃ、ホンモノのドイツオーボエではない」・・書いてる本人が「高校時代(約20年前)はそんなことを考えていたんだっけ」と絶句してるけど・・当時は「思い込みが激しい」というか「形から入る」というか、「サムプレートシステムじゃなきゃ、ホンモノのイギリスオーボエじゃない」みたいな、ムカシに思ってたことが、深層心理に働いたのかも。
オーボエの世界に、そういうものがある以上は、実際に触れて、体験してみたいなぁ、てな「ヤジウマ根性」が働いて・・って、自分の楽器を買うときにやることなのか、っちゅー問題があるけど・・
ムカシのオーボエ吹き(「おーぼえ人種」などと呼ばれていたような・・)にアリガチなことなんだけど・・何かしら、他のヒトと違う「オンリーワン」を求めてしまい、しかも、そのためには労を惜しまないという・・往々にして、傍から見たら「え、・・」てなことばかりなんだけど・・
イギリス人にとって、サムプレートシステムが「フツー」なものなのか、そうでないのか、てなのが気になってたです。モノというのは「売りたいもの」か「自分たちのもの」に、より大きな力がさかれるんだろうから、てな、これまた思い込みモード大炸裂だけど・・。ふと、あるとき、雑誌で若いイギリス人奏者の写真が載ってて、その手に握られた楽器がサムプレートシステムだったので「まだまだイギリスで現役なんだなぁ〜」と思ったのも、大きかったかも。
当初、返品できるかを知らなかったころに考えたんだけど・・ハワースって、日本では、根強いファンもいる一方で、大人気、とまでもいかないワケで・・もし、やっぱ自分には合わない、てなことで手放す場合、コンセルバトワールなモデルだと、あまりいい価格が付かない可能性が・・。
で、とってもコソクなハナシだけど、サムプレートのほうだったら、一部の熱狂的なイギリス好きであれば、中古としてはフツーの価格で売り抜けられるんじゃないかと・・少なくとも、興味をひいて、実際に吹いてちゃんと評価をしてもらえるチャンスは増えるのかなぁ〜と。
そんなことを思いながら、ハワースとメールのやりとりを始めて・・どうも、ハワースの方は「日本人が、サムプレートなモデルに興味をもってること」そのものにも興味をもったらしく「難しくないですよ〜、ぜひサムプレートにしましょうよ」的なノリを感じたので・・。